同じ型のジャケットでも、革が違うと別の服になります。重さ、柔らかさ、艶の出方、水への強さ。うちで実際に使っている5種類を、着る側から見た違いで並べます。
ホースハイド(馬革)── 重くて、いちばん育つ
肉厚で密度が高いのが持ち味です。毛穴が明確で吸水性・吸油性に優れ、着る人の汗や油分を吸って表情が変わっていきます。堅牢で色落ちが少なく、着込むほどに艶と濃淡が深まる。茶芯もほとんどがホースハイドです。
重さは覚悟が要ります。育てる前提で選ぶ革です。
ゴートスキン(山羊革)── 軽くて、すぐ馴染む
軽くしなやかで、長時間着ても体への負担が少ない革です。きめ細かなシボがあり、見た目より丈夫。ホースハイドのような重厚感は出ませんが、買ったその日から着やすいのが強みです。
「革ジャンは重くて肩が凝る」という人には、まずこちらを勧めています。
カウハイド・カーフ ── 目が詰まっていて、形が保たれる
カウハイドは肉厚で表面が均一。オイルワックス仕上げにすると重厚な艶が出て、シボの表情も育ちます。カーフ(仔牛)はさらにきめが細かく、張りのあるシルエットが保たれます。
ヴィンテージ加工との相性がよく、色ムラや陰影が出しやすい革でもあります。
シープスキン(羊革)── いちばん柔らかい
柔らかな風合いで、羽織った瞬間から体に沿います。毛皮を一体で残した仕立て(ムートン襟)にも使われ、防寒着の主素材にもなります。強度で選ぶ革ではありませんが、着心地では群を抜きます。
ディアスキン(鹿革)── しっとりして、独特
水染めで無塗装のまま仕上げることが多く、しっとりと吸い付くような手触りになります。数が少なく、扱いも神経を使いますが、他の革では出ない表情があります。
迷ったときの目安
- 10年かけて育てたい … ホースハイド
- 毎日着たい・軽さが第一 … ゴートスキン
- シルエットをきれいに保ちたい … カウハイド・カーフ
- とにかく柔らかいものを … シープスキン
- しっとりした手触り・人と違うものを … ディアスキン
どの革も無塗装に近いほど水濡れに弱くなります。濡れたら乾いた布で拭き、風通しのよい日陰で乾かしてください。油分は乾いてきたと感じてから足すくらいで十分です。